図2-28上(次ページ)は、世界の富裕層の移住数の推移だ。2020年から2022年までのコロナ禍の3年間はひどく落ち込んだが、2023年以降は増加する一方である。
日本のインバウンド政策の問題点は、このような海外の富裕層の動きを十分に取り込めていないことだ。中国やインドのような新興国の富裕層は若い人が多い。日本の場合、寿命が残り少なくなってから自分が富裕層になったことに気づき、はじめてどうやってこのお金を使おうかと考える。そして、税金を取られるのが嫌だからとシンガポールなどに移住する。そういう人は多いが、世界中の富裕層はむしろ安住の地を求めている。
なぜ「海外富裕層」を取り込めないのか? 大前研一氏が指摘する日本のインバウンド政策の問題点と各国の巧みな戦略 | Japan Innovation Review powered by JBpress
